変化を楽しみたいクラッチバッグ 02
紙和
このバッグは紙でできています。
「ナオロン」という、破れにくく水に濡れても大丈夫というとってもスーパーな障子紙から作られています。
この素材で作られたモノが「SHIWA|紙和」シリーズです。
他にもトートバッグ、財布、ランドリーボックスなどなど種類や色は様々。
デザイナーは深澤直人さん。シンプルで使いやすく飽きがこないとても好きなデザインです。
最近セレクトショップでも扱われ始め、注目を集めているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
紙和のクラッチバッグ
はじめに伝えますと、このバッグはクラッチバッグではないです。我ながらなにを言ってるのかよくわからないと思うのでちゃんと説明します。
本来これはiPadなどを入れるタブレット用クッションケースとして作られています。
これですね。ばっちりタブレットを入れてます。
ですが私はサイズがちょうど良いのでクラッチバッグのように使っています。なので今回はクラッチバッグとして書きます。
あ。でもちゃんとクラッチバッグも別につくられていますよ。(ややこしい)
これです。これは紙和のクラッチバッグです。これも欲しいです。大きさも選べるのが嬉しいですね。欲を言えばもう少し色の展開が欲しいところ。
それでは話を私の「クラッチバッグ」に戻します。
おでかけに紙和を
身軽に出かけたい時私が持って行くモノは
・財布
・定期券
・イヤホン
・ハンカチ
・目薬(私の生命線)
これに1冊本を足すかどうかくらい。これらを入れるには十分な大きさです。最初の写真も中に全て収まった状態で撮っています。
上にはジッパーが付いているので中の物が落ちる心配もありません。
もう少し大きなバッグを使う時にもバッグインバッグとして使っています。
雨などで水に濡れた時はタオルで拭き取って陰干しすればおっけーです。
濡れた時は色がかなり変わっていたので焦りましたが乾くとシミにもならず全然わかんなかったです。ナオロンすごい。
さて、そんな紙和はどこでつくられているのでしょうか。
大直
つくり手にお話を聞きたくて降り立ったのは山梨県。山梨は昔から和紙など紙の製造が盛んな土地です。
私が訪れた大直という会社(工場)は甲府駅から電車で50分ほど乗り継いだ市川大門という駅から更に15分ほど歩いたところにあります。
とりあえず行ってみる
住所だけ調べて向かったところ、そこは工場でした。とっても工場でした。
建物にお店が入ってるんじゃないかと踏んでいたので予想外です。
工場から人が出てきたところにすかさず突撃。
「すいません!ここでモノは買えますか!?」
本来は事前に連絡しないといけないみたいなのですが、たまたま商談に来ていた方たちが帰るタイミングだったらしくアポなしの突撃を受け入れてくれました。ラッキー。
工場ならでは
会社の一室がお店のようになっていて、商品が陳列されています。紙和の各シリーズをはじめ、紙製品(ぽち袋や便せん、葉書きなど)が並びます。
シリーズは種類が多く色の展開も複数あるため全てはとても並びきりません。
そのためパンフレットを渡され、気になるモノを伝えると工場の倉庫から直接取ってきていただき見せてもらえるというなんともぜいたくな感じで見せてもらいました。ちょっぴり申し訳ない気持ちにもなりましたが。
いくつも並んだモノを見比べながらアレコレ楽しく迷い、その中の2つを購入。
レシート代わりに手渡されたのは納品書。
業者か。
ちなみにですが私が使っている青のタブレットケースはもう製造されておらず、現在は白と黒と赤の3色販売されています。
私はまだ若干工場に残っていた在庫を売っていただけました。またしてもラッキー。工場突撃特典かもしれません。
育つ紙和
表面は和紙のように肌触りが優しく、このバッグに関して言えばタブレット用にできているので中にクッションか何か入っているのかふんわりやわらかいです。
そして紙なので当然しわがつきます。それが名前の由来のひとつですね。
使い込むだけ味が出る、革製品と似たところがあるかもしれません。
私のは使い始めて半年ほど。良い感じに育ってきました。
こういった変化を楽しめるのが紙和シリーズの醍醐味かもしれません。
紙和ができるまで
ナオロンという破れない、水に強い素材ができてからも製品になるまでは長い時間がかかったのだとか。
バッグなどを作るには紙と紙を縫い合わせる必要があります。
しかしナオロンは紙なので縫い合わせる、針を通したところに穴が開きます。
これが布であれば繊維がつまるので問題ないのですが紙の場合そうはいきません。
穴はそのまま穴であり、強度も落ちるし水にも弱くなります。
ナオロンの良いところを保ったまま製品にするというのが上手くいかず、様々な工場から加工を断られたそうです。
そんな中その難題に一緒に挑戦してくれる工場が現れ、試行錯誤を重ねた末に完成したのが現在の紙和なのです。
モノに歴史ありですね。
新しい紙
ぜひ一度、紙和を手にとってみてください。
紙という私たちの生活、歴史にぴったりと寄り添ってきたモノのこれまでとは違った一面を感じれるはずです。