彼女に使ってほしいグラス 06
菅原工芸硝子
毎日オレンジジュースやサイダーを飲んでいる私ですが、お気に入りのグラスが他にもあります。
千葉の九十九里に工房を構える菅原工芸硝子のグラスです。
見ての通り飲み口が斜めにカットされています。
なんとも面白いカタチだと思ったのですが、この角度にはきちんとした意味がありました。
斜めの秘密
この飲み口は9度傾いているそうです。
その9度がもたらす効果は、
美しく水を飲めるようになる
です。
コップで水を飲む時、普通は少し上を向くようにして飲みます。
人の顔というのは下から見上げるとなんとも見栄えが良くないものです。
上目遣いが好きな男性はよく聞きますが、その逆はあまり聞いたことがありません。
つまりそういうことです。
このグラスを使うと顔はほとんど正面を向いた状態で水が飲めます。
素敵な顔が素敵なままキープ。
そのためこのグラスは「美人グラス」とも呼ばれているそうです。
スガハラの工房
スガハラは青山にショップがあったりとご存知の方も多いはず。
そんな菅原硝子工芸店ですが、本店というか工房は千葉県の山武郡というところにあります。隣には自動車教習所。アクセスはあまり良いとは言えない場所なので車で行くのがおすすめです。
敷地は広く、一番奥の建物が工房でその手前にショップ、そしてカフェが写ってませんがこの左側にあります。
車から降りて驚いたのがオシャレな音楽が敷地中に流れているという点。
おしゃれか。
とつぶやいたのを覚えています。
この工房には職人さんが何十人も在籍しているのだそうです。
そんな場所でモノはひとつひとつ手作りされています。
スガハラショップ
ショップではすぐ隣でつくられるモノが数え切れないほど並びます。
時折工房から職人さんと思しき方が入ってきて、ショップの方と会話をされていました。
モノをつくる場とモノが人に渡る場がとても近いのが良いなあと感じました。
そしてなんとこの工房は見学ができるのです。
平日はショップのスタッフの方に案内していただけて、土日祝はガイドなしの自由見学。
私が行ったのは平日の17時過ぎだったので間に合いませんでした。
ぐぬぬ。
次こそはぜひとも案内していただきたい。
美人グラス
とても薄く作られているので口当たりはなめらか。口にガラスが当たっている感覚があまりありません。流れるように水がすべりこんできます。
しかし一方であまりに薄いので使う時に緊張します。
洗う時はさらに緊張します。
ガシガシ使えるというタイプではないですが、洗練されたカタチの美しさ、口当たりの良さは素晴らしいです。
スガハラカフェ
閉店時間ギリギリでしたがせっかくなのでカフェに入ってコーヒーをいただきました。
使われている硝子はもちろんスガハラのモノ。
いつも家では益子焼のマグを使っているので、グラスで飲むコーヒーはなんとも新鮮な感じがしました。
フルーティなコーヒーはケーキとも相性が良いのだろうなぁと思いながらも時間がなかったので1杯だけいただいて店を出ました。
もっとゆっくりしたかった居心地の良いカフェでした。
工房を訪れた際はぜひカフェにも立ち寄ってみてください。
Sghr
多くの職人さんがひとつずつ作り上げるモノは型こそあれ、ひとつずつに個性があります。
同じ型の中でも自分の手になじむモノを選んでいただきたいです。
人のつくるモノの魅力がたくさんつまったスガハラのグラスは、ほんの少しの緊張感を日常に添えてくれます。